飲み水の現状
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■悪化しつづける水道水の現状
今、日本では近年の環境変化や水道管・水道施設の老朽化により水質が変化し、水源自体が悪化し続けています。浄水場では完全に除去できない 「硝酸態窒素」や「クリプトスポリジウム」、「アスベスト」などの有害物質の存在を知り始めている方も多数おられることでしょう。また、これらの有害物質が人体に与える影響(食中毒・感染症・アトピー性皮膚炎・発ガン性など)の情報も知られる事が多くなってきました。
硝酸態窒素・亜硝態性窒素
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■硝酸態窒素の影響
化学肥料や農薬、家畜の糞尿、工活排水等で汚染された水が硝酸態窒素を生み出す主な原因です。化学肥料等に含まれた窒素は、土中で微生物などにより酸化され、硝酸態窒素へと変化します。そして硝 酸態窒素が地下水に侵入し、この地下水が水道水源として使われることで、私たちの家庭にまで到達するのです。 硝酸態窒素はバクテリア等の硝酸呼吸により、容易に亜硝酸態窒素に変化します。この亜硝酸態窒素は、チアノーゼ(窒息状態)を引きおこしたり、体内で発がん性を示す物質に変化したりと、人体にとても恐ろしい影響を及ぼす物質です。
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■亜硝酸態窒素は強い発がん性物質にも変化
強い発がん性物質として、亜硝酸態窒素とアミンから生成されるN-ニトロソ化合物が知られています。亜硝酸態窒素は体内でアミン(タンパク質分解物質)などの有機物と反応してN-ニトロソ化合物を生成します。この亜硝酸態窒素とアミンとの反応には食物を摂取する際の胃酸の酸性条件が最も適しているといわれ、飲料水中の硝酸態窒素の高い地域では、胃ガンの発生率が高いという疫学的結果も報告されています。
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■体内に窒息状態をつくりだすメトヘモグロビン血症
私たちのからだは、約2/3が水でできています。その体内に、亜硝酸態窒素を含んだ飲料水が大量に入ると、メトヘモグロビン血症という、死にもつながる酸素欠乏状態を引き起こします。血液の中で、生命を維持するために酸素を全身に運んでくれているのが、赤血球中に含まれるヘモグロビンという物質です。ところが、血液中に 亜硝酸態窒素が入ってくることで、このヘモグロビンは酸化されてメトヘモグロビンという、酸素を運ぶ能力のない物質に変化してしまいます。通常、このメトヘモグロビンは体内の還元酵素によりヘモグロビンに戻されます。 しかし、大量の亜硝酸態窒素が血液中に混入してくることで、酵素の働きが追いつかず、結果的にメトヘモグロビンが血液中に大量に存在することとなり、体内の酸素が欠乏した状態になります。この状態をメトヘモグロビン血症と呼んでいます。
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■赤ちゃんが危険!ブルーベビー病
1945年にアイオワ州の農場で乳児にメトヘモグロビン血症が認められたのが、最初の報告例とされています。乳児メトヘモグロビン血症は、北米およびヨーロッパにおいて1946年以来、約2,000例が報告 され、うち6~7%は死亡、実際にはこの10倍の患者が発生していると推定されています。 このメトヘモグロビン血症によって体内が酸欠状態になり、全身が真っ青になった乳児を一般的にブルーベビー病と呼んでいます。 日本では、1996年に生後21日の乳児が重度の窒息状態(ブルーベビー)になった例が報告されています。この乳児には、自宅で井戸水を煮沸して粉ミルクを溶かして飲ませていました。この酸欠状態を引き起こしたのは、ミルクを溶かすのに用いた井戸水に硝酸態窒素が水道法の基準値を上回る高い濃度で混入していたことが原因だと発表されています。 また、一般に乳児に与える粉ミルクを溶く飲料水は消毒のために煮沸しますが、硝酸態窒素は揮発性がないため、かえって濃縮されてしまいます。この例から、硝酸態窒素の濃度の高い井戸水は煮沸しても濃度を高めてしまうので、使用しない方が良いと言えます。乳児は体重当たりの水分摂取量が成人の約3倍と多く、胃液のpHが成人に比べ高いため、メトヘモグロビンをヘモグロビンに還元する酵素がほ とんどありません。さらに乳児のヘモグロビンは胎児性ヘモグロビンといわれ、成人のヘモグロビンに比べ、非常に酸化されやすいため、酸素を運ばないメトヘモグロビンになりやすいのです。上記の理由で、乳児はメトヘモグロビン血症がおこりやすく、注意が必要です。
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■安心できる水
化学肥料や農薬、家畜の糞尿、生活排水等で汚染された水が原因となる硝酸態窒素・亜硝酸態窒素は浄水場では完全除去することが出来ません。 さらに従来の浄水器でも完全除去できない物質です。なぜ なら硝酸態窒素の最小分子の大きさは約0.00044ミクロン、亜硝酸態窒素の最小分子の大きさは約0.00042ミクロンと非常に小さいためです。イオン交換法や電気透析法では除去は可能ですが、装置も大型で管理も容易ではなく、一般家庭に設置できるようなものではありません。 しかし、当社が開発した逆浸透膜の孔の大きさは0.0001ミクロンなのでこれらの除去が可能です。
水質基準
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■甘すぎる?日本の飲料水質基準
日本の水道水質基準は1957年に26項目の設定がされましたが、環境の悪化に伴い、そのままでは飲料水としての安全性が確保できないことから、35年ぶりの1992年12月に46項目に改定され、さらに2003 年4月に50項目へと改訂され、2015年(平成27年)4月に51項目に改定され現在に 至っています。 一方、アメリカの水質基準は2001年8月時点で合計270項目(重金属他104項目・農薬類82項目・発がん性物質72項目・放射性物 質門項目6項目) ありますが、水質がますます悪化している現状から、さらに約100項目の物質についての基準追加が検討されています。それだ け監視基準を追加しても、まだ未確認の化学物質が約500種類以上発見されています。 日本とアメリカの水質基準を比較してみると、飲料水中の農薬として指定されているものは、日本ではまだ要検討項目ですが、アメリカでは82項目あります。発がん性物質として指定されているものは、日本では5項目、アメリカでは72項目と極めて開きがあります。さらに、アスベストや 放射性物質については日本では基準がありません。こうしてみると、日本の「水」に対する意識のうすさを感じざるを得ません。
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■体に必要なミネラル
現在200種類以上ものミネラルウォーターが販売されており、その中には水質について不明なものも多くあります。「ミネラル」と称して、無機 質の石灰などが多く含まれているものや、どこかの地下水に 人工的なミネラルを添加したものなどもあるようで、全ての水が“安全で美味しい水” とは言えません。ミネラルは、一般的にカルシウムやマグネシウムとして理解され、体に必要なものと考えられています。 しかし、動植物や発酵 によって作り出される有機的なミネラルと違い、土壌中の岩石等から水に溶け出た金属硬度類、いわゆる無機的なミネラル(石灰)では骨や歯を構成する栄養とはなりませんし、元が岩石成分のため体内に石として蓄積されやすく、動脈硬化や静脈瘤、腎臓結石、胆石、尿路結石の原因と なったり、関節の石灰化あるいは脂肪細胞の増大を引き起こす因子となります。 市販のミネラルウォーター以外にも、名水と呼ばれる水が日本にはたくさんありましたが、現在水質汚染はこの名水にも及び、名水百選の中から も有害物質の検出が認められ、数カ所において亜硝酸態窒素や化学物質による汚染も報告されています。水は見た目の透明度や味だけでは決めら れない時代になってしまっているのです。また、逆浸透膜浄水器は水中に含まれるミネラルも取り除くため体によくないのではというご意見もありますが、クリスタルヴァレーのお水は有 害な物質を取り除いた後、天然サンゴ素材を使った生物由来の有機ミネラルを添加していますので、安心して飲んで頂けます。