●亜硝酸性窒素とがん発症率の因果関係

1987年の英国疫学調査結果では、飲料水中の硝酸性窒素が高い地域では、胃がんの発生率が高いと報告されています。英国Workshop Town(人口約3万6千人)では、飲料水中の硝酸性窒素濃度が平均約20mg/L と高い値を記録していますが、この地域の住民の胃、食道および肝臓の発がん死亡率は、通常の1.25~5.72倍と高い値を示しています。

●亜硝酸性窒素は強い発がん性物質にも変化する

 強い発がん性物質として、亜硝酸性窒素から生成されるN-ニトロソ化合物が知られています。硝酸性窒素はバクテリアで亜硝酸性窒素に還元されたのち、体内でアミン(アンモニアに近い物質)などの有機物と反応してN-ニトロソ化合物を生成します。この亜硝酸とア ミンとの反応には胃の強い酸性条件が適しているといわれ、飲料水中の硝酸性窒素の高い地域では、胃ガンの発生率が高いという疫学的結果も報告されていま す。 亜硝酸性窒素が胃で発ガン物質になる

●飲料水中の硝酸塩濃度が高いと糖尿病に

米国コロラド保健科学センターは、飲料水中の硝酸塩濃度がインシュリン依存型糖尿病の罹患率を上げると発表。インシュリン依存型糖尿病と診断され たコロラド州の18歳以下の小児1,290人を対象に飲料水の硝酸塩濃度との関連性を調査。その結果、亜硝酸塩濃度とインシュリン依存型小児糖尿病とに関 連性があることが判明しました。ニトロソアミンは、間質性肺炎や胃ガン、インシュリン依存型糖尿病を引き起こす原因にもなる物質です。

硝酸性窒素の分子量の大きさは約0.00044ミクロン
亜硝酸性窒素の分子量の大きさは約0.00042ミクロン


1. 浄水場でも除去できない有害化学物質
2. 亜硝酸性窒素の毒性とメトヘモグロビン血症
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4. 亜硝酸性窒素の発がん性と糖尿病の関係
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