水(溶媒)は通すが食塩(溶質)は通さない半透膜で仕切られた槽の一方に真水を、また、他方に濃塩水を入れたとき、両溶液が平衡になろうとして真水側の水が半透膜を通過して濃塩水側に移動する。この現象が「浸透」である。 そして、「浸透」が平衡に達したとき、両溶液間に生じる圧力差(水位上昇分)を「浸透圧」という。今、この濃塩水側に浸透圧差よりも大きい圧力をかけると、浸透現象とは逆に、濃塩水側の水が膜を透過して真水側に移動する。この現象を「逆浸透」という。 ここで、水は浸透するが食塩などの低分子量物質を透過させない半透膜を「逆浸透膜」と呼ぶ。 一方、水や塩分等の低分子量物質は透過するが、コロイドやタンパク等の高分子量物質は透過させない半透膜が「限外ろ過膜」であることから、両者の膜の違いは透過させない溶質の分子量の大小ということになる。 つまり、浸透圧の関与が著しい低分子量物質の場合には、浸透圧、高分子量物質のように浸透圧をほとんど示さない物質を溶質とする場合には、限外ろ過ということになる。 このような観点から、逆浸透膜は限外ろ過「Ultrafiltration」の延長として、「超ろ過(Hyperfiltration)」と呼ばれることもある。