水(溶媒)は通すが食塩(溶質)は通さない半透膜で仕切られた槽の一方に希薄溶液を、また、他方に濃厚 溶液を入れたとき、両溶液が平衡になろうとして希薄溶液側の水が半透膜を通過して濃厚溶液側に移動する現象が「浸透」である。浸透が平衡に達したとき、両 溶液間に生じる圧力差(水位上昇分)を「浸透圧」という。 この濃厚溶液側に浸透圧差よりも大きい圧力をかけると、浸透現象とは逆に、水が濃厚溶液側から膜を透過して希薄溶液側に移動することになる。この現象を「逆浸透」という。
ここで、水は浸透するが食塩などの低分子量物質を透過させない半透膜を「逆浸透膜」と呼ぶ。
一方、水や低分子量物質は透過するが、コロイドやタンパク等の高分子量物質は透過させない半透膜が「限外ろ過膜」であることから、両者の膜の違いは透過さ せない溶質の分子量の大小ということになる。 つまり、浸透圧の関与が著しい低分子量物質の場合には、浸透圧、高分子量物質のように浸透圧をほとんど示さない物質を溶質とする場合には、限外ろ過という ことになる。このような観点から、逆浸透膜は「限外ろ過(Ultrafiltration)」の延長として、「超ろ過 (Hyperfiltration)」と呼ばれることもある。 【引用文献】 E.J.Breton,Jr.:OSWR & DP Report C.E.Reid,E.J.Breton,Jr.:J.Appl.Polym.Sci.,1133. S.Sourirajan:Ind.Eng.Chem.Fundam.2,51 A.Dobry:Bull.Soc.Chim.,3,312 S.Loeb,S.Sourirajan:U.S.Patent3,133,132 M.Kurihara,Y.Nakagawa,H.Takeuchi,N. Kanamaru,T. Tonomura:Desalination,46,101 清水博、西村正人編:最新の膜処理技術とその応用,フジ・テクノシステム Johnson,J.S.,J.L Dresner,K.A.Kraus:Principles of Desalination,chap.8,Academic Press,New York,NY. 大家晴彦:逆浸透法・限外濾過法、Ⅰ理論、幸書房 R.L.Liley,J.O.Gardner,U.Merten:Science,143,801 H.K.Lonsdale,U.Merten,R.L.Liley:J.Appl.Polym.Sci.,9,134
水をきれいにするしくみ
膜の構造は下図のようになっています。
フィルターハウジング(フィルターケース)の中には、メッシュスペーサー・逆浸透膜・透過水流路材が透過水集水パイプに巻かれたものが入っており、フィル ターハウジングに入った原水は、圧力をかけることによって、メッシュスペーサーに沿って原水が流れ、逆浸透膜を透過し、きれいな水となって、透過水流路材 に沿って中心にある透過水集水パイプに流れ込みます。 クリスタル・ヴァレー浄水器の逆浸透膜の細孔(約0.0001ミクロン)は、水中の最も微小なウイルスよりもはるかに小さいので、通常の浄水フィルター(中空糸膜・活性炭など)では除去できない有害物質の除去も可能になります。(除去できない物質もあります)
従来型浄水器との構造比較
クリスタル ヴァレー(逆浸透膜方式) 逆浸透膜方式は、フィルターに水圧をかけることで「きれいな水」と「そうでない水(廃棄水)」とに分離し、フラッシング洗浄を行うことで不純物は排水として外に排出されますので、フィルターが目詰まりしにくく、他の浄水器のフィルターに比べて衛生的で長持ちします。
従来型浄水器(全量ろ過方式) 全量をろ過するため、ろ過層を通過できない不純物が残ってしまい不純物はフィルターカートリッジの上に蓄積されていき、目づまりの原因になります。